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夏輝(なつき)とお母(かあ)の毎日のこと・・・山の怪その2

 お母(かあ)が体験した山の怪。ひとつは高校生の時。近所の漬物屋さんでアルバイトをしていて、県道は遠回りだから林やヤブを突っ切って近道をして通っていたんだって。日が暮れるのが早くなった晩秋のある日の帰り道、夕方5時過ぎて辺りはすっかり薄暗くなったけど、いつものように林を抜けてヤブにさしかかった時、ほんのり月明かりの先に誰かがきれいに下草を刈った幅の広い道が出来ていたんだって。月明かり越しに、刈られたススキやかん木が両側に倒れていて、その切り口までもハッキリ見えたんだよ。
お母(かあ)は「暗い道を帰って来る娘を不憫に思った父ちゃんが草を刈って道を造ってくれたんだ♪」と感謝して、月明かりに照らされたその道を駆け足で通り抜けようとしたら「バリバリバリ~ッ」て、トゲトゲのノイバラの茂みに体ごと突っ込んで、顔から腕から傷だらけになってしまったんだよ。お母(かあ)は「痛い(>o<")」と叫びながらふと周りを見回したら、前にも後ろにもさっきまで見えていたはずの道がなくなっている上に、お母(かあ)が毎日歩いてできた獣道とは違う方向に進んでいたんだってさ。そう分かった途端!!背筋がゾゾッとして、あと少しで我が家の畑に出るのは分かっているのに何故か先に進むのが怖くて、来た道を必死に戻って灯りのある県道に出て無事帰路についたんだってさ。
 帰ってから父ちゃんに話したら次の日一緒に見に行ってくれだけど、草を刈った跡は何処にもないし、勿論父ちゃんも草を刈った覚えもないし…「もう、そこは二度と通らない」と約束して遠回りでも県道を通うことにしたんだよ。
それにしても…あの月明かりに照らされた道と倒れたススキやかん木、その切り口までも見えたのは…一体何だったんだろう(・_・?)  今も鮮明に思い出すことができる傷の痛さと、あの月明かりに見えた存在しない道は、やっぱり山にいる何かの仕業…なのかなぁ~((((;゜Д゜)))って時々思い返すお母(かあ)なんだよ。

 写真のような風景に出会うと、お母(かあ)は子供の頃に遊び歩いた道を思い出して懐かしくなったり、もしかしたらこの先は存在しない道につながっているんじゃないかとドキドキするんだってさ。

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