夏輝(なつき)とお母(かあ)の毎日のこと・・・「あの日」

 「あの日、何をしていましたか?」と問われたとき、お母(かあ)にとっての「あの日」は2011年3月11日の東日本大震災の日なんだって。お母(かあ)だけじゃなく特に岩手県宮城県福島県に住んでいる(または住んでいた)人たちが頭に浮かぶ「あの日」は東日本大震災の日なんじゃないかな…
 ぼくの住んでる秋保町は、宮城県仙台市でも山形県に近い山沿いだから家屋の被害もほとんどなかったんだ。水道とガスは無事で停電のみ…電気掘り炬燵に練炭火鉢を入れてロウソクに火を灯して、みんなでラジオから流れてくる未曾有の大震災の被害状況を聴いて震えあがっていたあの日。ほとんど被害のなかった自分たちでさえこんな風だから、実際に被害に遇われた方々はどんなに辛く怖い思いをしただろうと思うと、胸が詰まって涙が溢れてとまらなかったあの日…。燃料確保が心配で真夜中からガソリンスタンドに並んだあの日。秋保温泉に宿泊していた、他県から応援にきてくださった各方面の方々が宿から出発するのを感謝の気持ちで見送ったあの日。もうすぐ五年目のあの日がやってくるんだね。テレビから流れてくる「あの日」の映像を直視する時、今だに胸が詰まるお母(かあ)…
 震災の年はぼくが産まれた年で、お母(かあ)んちの家族になった年でもあるんだよ。ぼくは6月産まれだから「あの日」のことは知らないけれど毎年3月11日がくると、お母(かあ)が「ナツキ、ナーツ」っていいながらぼくをギュッとする力加減で大切な日だということが伝わってくるから、ぼくもはしゃいだりしないでおとなしくしているんだよ。

 写真は、ちょっと鮮明さに欠けるけど、雲の上から顔を出している大東岳。白い筋のように見えるのが大東岳の頂上付近だよ。雲の上から顔を出すと、いつも以上に大東岳が高く見えるのが不思議だね。

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